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中・四国アメリカ文学会(日本アメリカ文学会中・四国支部)の誕生・発展の歴史
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日本アメリカ文学会中・四国支部(The Chu-Shikoku American
Literature Society)は、昭和36年(1961年)7月に結成された広島アメリカ文学会(Hiroshima American Literature Society)が後に、中国・四国地方に在住のアメリカ文学研究者の要請によって拡大されたものである。当時すでに日本各地にアメリカ文学会,あるいはそれに類したものが結成されつつあり、アメリカ文学に対する関心が非常に高まっていた時期であった。従って広島地区でも、広島アメリカ文学会が結成される以前から、現在の全日空ホテルの東側(広島市中町8番16号)にあった広島アメリカ文化センター(のちに日米センター)の協力によって、アメリカ文学研究の会合がしばしばもたれ、故杉本喬、細入藤太郎、フルブライト教授H.M. Gloster及び吉田弘重の諸氏による講演会が開催され、アメリカ文学に関する関心が高まっていた。
しかし,具体的に広島アメリカ文学会が結成された主たる源泉は、当時の広島大学学長森戸辰男の要望を受けて、昭和35年(1955年)5月から7月まで広島アメリカ文化センターで行われた11回にわたるアメリカ文学講演会であった。この講演会終了後間もなく広島アメリガ文学会が結成され,会長に当時の広島大学文学部長の小川二郎が就き, 会員約30名の会として発足し、11回の講演内容を活字にして一冊にまとめた『広島アメリカ文学研究』(Studies of American Literature, 昭和37年[1962年]3月)を、本会機関誌として創刊した。2号発刊は1964年6月になったが、それ以後は年刊誌として経済的な理由から英語論文だけを掲載し、1967年の5号まで継続した。それ以後も月例会として会の活動は持続したが、学会誌の発刊は2年間途切れた。しかし、1968年に中・四国アメリカ文学会が結成され、1970年3月に熱情ある会員の英語論文5編を掲載し、『中・四国アメリカ文学研究』(Studies in American Literature)と名称を改めた6号が刊行され、それ以後、Chu-Shikoku Studies in American Literatureと再度改称し、会員の増加と財政事情の好転で邦語論文も掲載するかたちで発展し、2003年6月で39号を数えるまでに成長した。一方、中・四国アメリカ文学会の会報は、1964年9月に第1号を発行し、年4回からすぐ年1回発行にして、現在まで途切れることなく持続し2003年6月で42号を数えている。
本会の第1回大会は、1971年6月に広島アメリカ文化センターとの合同で開催され、
「F. S. Fitzgeraldの文学について」(司会 広島女学院大学 今石益之)
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1. The Great Gatsbyについて
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島根大学
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常松 正雄
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2. Tender is the Nightについて
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安田女子大学
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田坂 崇
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3. The Last Tycoon
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安田女子大学
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難波 辰郎
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4. 短編を中心として
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広島女子大学
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天野 雅文
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という陣容でシンポジウムが行われている。それ以後、1973年11月に結成された中・四国アメリカ学会と合同で大会が開催され、第9回大会(1980年11月;徳島大学教育学部)まで、11月開催で合同大会という形で継続した。が、1981年の第10回大会が、広島アメリカ文学会結成から数えて20周年になるということで、中・四国アメリカ文学会単独で6月に広島平和記念館で開催し、
「The Blithedale
Romance 再考」(司会 鹿児島大学 鴨川卓博)
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1. The Blithedale
Romance の主題と語りの様式ムMiles Coverdale の物語
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鹿児島大学
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小山 憲明
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2. 「炎」と「円環」--The
Blithedale Romance の形態
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鳥取大学
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神徳 昭甫
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3. The Blithedale Romance の構造
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広島大学
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田中 久男
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というシンポジアムが開催された。それ以後は、広島、岡山、愛媛を中心にして、中国・四国地方の各県の持ち回りで大会が開催されている。
歴代会長は小川二郎、岩佐正澄、吉田弘重、糸藤洋、坪井清彦、陣崎克博、稲田勝彦、天野雅文と続き、現在は田中久男が務めている。事務局は結成時の広島アメリカ文化センターから広島大学文学部英文研究室に移り、それ以後、愛媛大学法文学部に暫く置かれたが、2003年6月に広島大学大学院文学研究科内の新田玲子研究室に移転した。現在の会員数は約200名で、会の活動としては、6月の年次大会、9月、12月、3月の研究会、臨時に外国人講師を招いての講演会、および会誌と会報の発行を行っている。
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